スウェディッシュマッサージとは

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起源

 現代のオイルマッサージの源流と言われているスウェディッシュマッサージは、およそ200年前にスウェーデン生まれの医師Per Henrik Ling(1776-1839)によって確立されたと言われています。その後、多くの研究者によりスウェディッシュマッサージの科学的研究が進められ、筋肉療法として徐々にそのマッサージシステムが構築されてきました。そして長い年月を経た現代においても心と体を癒やす健康法として、昨今ではタクティールケアやベビーマッサージなどのタッチセラピー、またエステティックやスポーツマッサージなどのアロマオイルマッサージの基本として世界で認知、発展を続けています。

技法

 肌に負担のかからない程度の少量のオイルを使ってゆっくりとしたリズムで筋肉をほぐしていきます。筋肉や骨格に沿ってオイルマッサージをすることで、身体のより深部まで働きかけ、心の癒しと共に凝りや疲れの解消に効果が期待できます。背面、前面のボディからフット、腕やフェイス、ヘッドまで全身くまなく徐々に無理なく深い筋肉にアプローチしていくため、痛みがない満足感があるトリートメントです。始めはオイルで滑らせながら浅い筋肉にアプローチしつつ、オイルが浸透してくる段階では徐々に深い筋肉にアプローチしていきます。オイルの量、浸透率、筋肉への段階的アプローチ、そのすべてが計算されている非常にロジカルな技術です。痛い指圧や整体は苦手だが、普通のアロマエステでは物足りないという方にはぴったりのボディメンテナンスです。

効果

 スウェディッシュマッサージの効果は、長い歴史の中で、科学や医学の発展と共に徐々に明らかになってきました。疲れや筋肉の凝りを取り除くことはもちろん、その他にも免疫力アップやホルモンバランスの調整などの効果も報告されています。

 皆さんに馴染みのあるいわゆるアロママッサージは、たっぷりのオイルで肌を滑らせながらというイメージがあると思います。それは特にハワイのロミロミやバリニーズなどの暑い国のオイルマッサージの特徴で、それらのマッサージは多めに塗布したオイルが気化することで体温を奪い涼しくしてくれる効果があります。一方スウェディッシュケアは少なめのオイルで適度な摩擦を与えながら血流を促すことで体温を上げ、自己治癒力を高めるという大きな特徴があります。オーロラで有名な寒い国スウェーデンでは、いかに体を温めるかを追求したボディケアが親しまれてきたと言えます。日本人の多くが、血流の停滞や冷えが原因の慢性的な凝りに悩まされています。スウェディッシュマッサージは、そんな日本人にこそぴったりのボディメンテナンスだと言えるでしょう。

 更に、精神面での良い効果もあると言われています。スウェーデンの小学校では、ホームルームで子供たちが輪になって前の子の背中を摩るタッチセラピーを取り入れたところ、学童の問題行動が激減したそうです。このことが、いかに人間にとって人との直接的な触れ合いが大切であるかを教えてくれています。近年では、アメリカのRapaport医師の研究で、オキシトシンホルモンやβエンドルフィン等の分泌促進、リンパ球の増加などが確認され、医学的にも、自己免疫機能を活性化させる効果があるということが証明されています。効果が1ヶ月持続するとも言われているスウェディッシュマッサージを日常習慣に取り入れることで永続的に心と体の健康を保つことが期待できることがわかります。